私たちは、弱い立場に置かれた人々も社会に包摂され、守られる様子に社会の安定を感じ、子ども達が心身ともに健全に育っていく様を見ることで、憧れや願いを託せると思うようになります。
それ故、少子化の日本において、何らかの理由により家庭での養育が不適切、社会的に養護が必要とされるとされる子どもが46,000人(平成26年10月 厚生労働省 家庭福祉課調べ)を超え、その数が増加していることに無関心であってはなりません。
社会的養護児は心身に深い傷を負っていることもあり、乳児院や児童養護施設などで専門的知識を有する職員の下で養育されますが、心身のケアには深い愛情と専門的なケアが必要となる例が多く、長期的に不適切な養育環境に置かれていたなどの重篤なケースもあり、国や行政からの措置費加算、配置職員数の改善など、施設における子ども処遇は従前に比べ手厚くなっています。
一方で、18歳で施設を退所し自活を始める子どもは、社会で自活を始めることへの準備も整わない、法律的、金銭的にも乏しい後ろ盾の中、18歳という年齢に達したというだけで自活をしなければならないのです。(大学に通うなどの理由により、20歳まで施設で暮らす措置延長が認められます)
公益財団法人あいであるは、社会的養護児童の自立支援、社会的養護施設出身者の退所後の支援事業を通して、「保護者がいない、保護者のもとで暮らすことが適当でないとされた子ども」の健全育成支援を行っています。