一般財団法人「あいである」
児童養護施設を退所し自活を始めた子どもたちは、社会生活をおくるうえでの知識の不足する中、親や親族からの支援を期待できないだけなく、法律的にも多くの支援は期待できずに単身で社会に置かれています。
社会的には未熟と言える子どもたちが、社会との折り合いをつけながら自立していくためには、自分の成育過程を理解している施設職員とのつながりは、何らかのトラブルに遭った時に早期に対応措置を取るための唯一の望みであり、施設に求められる退所児のアフターケア事業でもあります。
一般財団法人あいであるは、社会的養護出身者が苦労することの多いお金の管理や、生活設計について学ぶ機会の提供、施設職員と退所児が継続してつながりを持つ機会を提供し、社会的養護児童の自立支援、社会的養護出身者の退所後の支援事業を通して、「保護者がいない、保護者のもとで暮らすことが適当でないとされた子ども」の健全育成支援を行っています。
社会的養護出身者の退所後の支援事業「実家便™」
社会的養護出身者の退所後の支援事業「実家便™」は、入所児の対応に追われる施設職員に代わって、自活を始めた子どもに6月と12月の年に2回生活用品を送るものです。
一般家庭から自活を始めた子どもに、実家から送られてくる生活用品は、中身は特段のものでなくとも、自分の拠り所、自分を見守ってくれていることを思える有難いもののはずです。
施設退所児と施設をつなぐ「実家便™」によって、施設退所児にとっては施設、施設職員とつながっていることの安心感を得、施設にとっては子どもの居場所確認とともに、私たちはあなたを気にしていますというメッセージを「モノ」と「言葉」の両方で送ることになります。
子どもとのつながりを切らさぬよう、「実家便™」には施設職員からのメッセージと、社会全体で見守っていることを伝える「実家便™」の詰め込みに協力してくれる財団の賛助会員からの応援メッセージを同梱いたします。
子どもの社会適応を見守る支援として、施設を退所した年から5年(10回)を最長支援期間とし、荷物の受け取り状況(あて先不明など)を財団から施設に報告いたします。
この支援による「実家便™」には、宅配業者による配送を使用し、転送対応はありませんので、子どもの生活環境の変化などの現況確認にもお役立ていただきたいと存じます。
施設退所児が、本当の意味で自立するまでには、時間を要します。唯一の拠り所である児童養護施設とのつながりを持ち続けることは、子どもの孤立の予防であり、自立への見守りになると考えています。社会の未来への宝である子どもを、社会全体で見守り、育てる支援として、社会的養護出身者の退所後の支援事業「実家便™」をご活用ください。